病院というところは、老若貧富、ありとあらゆる種類の人間が集まる。
腕にびっしりタトゥーが入ったお兄さん、上品な身なりの奥様、外国人実習生、
赤ちゃん連れのお母さん、ヨボヨボのおじいさんといった、
生活圏が明らかに違いそうな人たちが、
待合室で並んで座り、順番を待っている光景は、正にカオス。
わたしも看護師として、そうした様々な人と日々接している。
わたしは、あまり患者さん個人に対して、好意や嫌悪を抱くことはない。
しかし、こっちも人間なので、病棟勤務だったときも、今の職場でも、
イラつく患者さんもいる。(もちろん、仕事なので、態度を変えることはない)
そういう患者さんたちは、年齢や性別は色々なのだが、高確率で、
自営業 or 無職
であることに、気がついた。(病棟勤務だったときに)
完全に独断と偏見だし、個々人の事情や背景が違うことを承知で、あえて端的に言う。
自営業や無職の人は、自分最優先、ゴーイング・マイ・ウェイ人間だ。
最近あった、自営業・無職の患者さんからの、無慈悲な言動は以下の通り。
「しばらく来れないから、薬多めに出しといて」(保険診療では無理です)
「この後予定あるから、早めに診てよ」(VIPかよ)
わたし「○△さん、診察室へどうぞ〜」・・・・・・シーン
→ スタッフに何も言わずに、待合を抜け出し買い物へ行っていた。(まじで勘弁してくれ)
「この症状って、✕□だと思うんで、薬ください」(ひとまず診察をうけろ)
「ついでに、こことここと、ここも診てください」(ついでってなんだ)
「先生、最近儲かってる? 俺のところは全然だめ。バブルの頃は良かったよ〜
(以下、長い昔語り)」(待合室、混み混みだっただろ。あなたの後にも患者はいるぞ)
こんな感じの対応をされると、当然、診察の流れが滞る。
後に待っている患者さんの診察も遅くなる。
医師も、特に患者さんが立て込んでると、イライラし始めるし、
そのイライラは看護師へぶつけられる。(八つ当たりだよ!)
しかし、自営業・無職の患者さんたちは、そんなことは念頭にない。
自分の欲求が最優先なのだ。
これは、自営業・無職の人たちは、普段、仕事のために演技する必要がないからだと思う。
勤め人は、その職業に求めらる人格を演じることが求められる。
それは賃金をもらう上で、仕方がないことだ。しかし、1日8時間労働だとしても、
1日の3分の1も自分として生きられないというのは、相当ストレスが溜まる。
しかし、自営業・無職は、1年365日、自分自身でいられる。
自分の欲求を最優先して、何の問題があるだろうか。
というわけで、そんなフリーダムな方たちの言動で振り回せれるのは、
仕事上の人格を演じるしかない、わたしのような弱小な賃金労働者である。
まさか勤務中に、彼らに対して
「調子こいてんじゃねえ」
と往復ビンタを食らわせるわけにいかない。(即クビだし、傷害罪で逮捕は嫌だ)
彼らの言動に、イラつく背景には、
わたしは、賃金のためのこんなに自分を殺して我慢しているのに、テメーらは自由に生きやがって
という、逆恨みの感情がある。
そしてそれは、
わたしもこの人たちのように、いつでも自分自身でいたい
という、憧憬の裏返しでもある。(別に、病院や店で横柄な態度を取りたいわけではないが)
結局わたしは、自営業や無職の人に憧れながら、そうなれない自分への苛立ちを、
彼らに投影しているのだろう。
彼らを逆恨みするより、自分がそんな状態になれるように、エネルギーを使う方が、
遥かに建設的だ。
というわけで、そのエネルギーを有効利用し、一刻も早くセミリタイアするしかないのである。
(結論)
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