こんにちは、かずしいです。
わたしは、2019年3月に3年勤めた総合病院の病棟看護師を辞め、
現在パート看護師として働いている。
労働時間は、以前の半分以下になった。
労働時間が減って、一番嬉しかったこと。それは、睡眠を十分に取れるようになったことだ。
病棟看護師だったときは、退勤が22時でも翌日7時には家を出なくてはならない、
なんてこともままあった。
帰宅して、食事と入浴だけ大急ぎでしても、寝るのは0時過ぎ。
自宅に帰ってから、自由になる時間は0である。ぼーっとしたり、本を読む時間もない。
通勤時間を考えると、翌朝は、6時くらいには起きなければならない。
そうすると、睡眠時間は5〜6時間。
わたしは睡眠時間が7時間以下になると体調が悪くなるので、辛かった。
また、病棟勤務のときは、夜勤明けの日に、委員会の会議や勉強会が入っていることが普通にあった。
夜勤明けで自宅で少し仮眠をとった後、再び出勤し、委員会などに出席するのだ。
(夜勤明けは休みで、本来いないことになっているので、もちろん無給である)
病棟看護師は変則勤務なので、人を集める時間を調整するのが難しいせいもある。
だからと言って、夜勤明けの人まで呼び出すことがまかり通っているのは、
3年間勤めても、納得できなかった。
(それを口にする勇気もなかったのだが)
とにかく、病院全体として、看護師の睡眠時間を軽視していたと思う。
だから、睡眠時間が十分とれないような残業や、夜勤明けの呼び出しにも無頓着なのだ。
睡眠時間は生産性のない、減らしても問題ないものという扱いだった。
ところがどっこい、睡眠はすべての幸福の源泉である。
睡眠不足が続くと、うつ病、肥満、認知症、高血圧、など、ありとあらゆる疾患のリスクが高まることが科学的に証明されている。
過労死自殺をした人たちも、その多くが自殺前に、深刻な睡眠不足状態が継続してたという調査もある。
そうした科学的根拠を抜きにしても、眠ることは単純に気持ちいいものだ。
十分な時間、毎日ぐっすり眠れることは、人生の幸福度を大きく上げてくれる。
以前読んだ水木しげる先生の漫画で、『睡眠のチカラ』という表題の作品がある。
2ページの短い漫画だ。
ある出版社のパーティー会場で、水木先生が手塚治虫先生、石ノ森章太郎先生に声をかける。
仕事が忙しくて徹夜続きだと、自慢げに話す手塚先生と石ノ森先生。
それを聞いた水木先生は、自分はどんなに忙しくても10時間は寝ていると答える。
それを笑う両氏に対し、水木先生は、力説する。
睡眠を馬鹿にしてはいけない。幸せなんかも“睡眠力”から沸いてくる。
“睡眠力”こそ全ての力の源ですッ!!
出典 水木しげる『睡眠のチカラ』
この言葉を取り合わなかったふたりは、60歳で亡くなり、水木先生が93歳で大往生したことは、
全く関係がないとは言えまい。
わたしは、水木先生の言葉を実感として理解できる。
前職の総合病院を辞めるときに、上司からの退職の妨害があって悩み、夜ほとんど眠れなくなったことがあったからだ。
睡眠不足になると、体が不調になることに加えて、まともにものが考えられなくなる。
ネガティブな考えしか浮かばず、このまま消えてしまいたい・・・・・、と毎日思っていた。
皮肉なことに、わたしはその後、適応障害の診断がくだったことで、退職することができた。
しかし、退職てきないままの状態が続けば、自殺まで行ってしまったかもしれない。
水木先生が真剣に訴えたように、幸福に生きるためには、睡眠を侮ってはならない。
もし、あなたが満足に睡眠が取れない労働環境で働いているなら、
真剣に環境を変えることを考えた方がいい。
睡眠不足に殺される前に。
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