こんにちは、かずしいです。
わたしは30過ぎで看護師資格を取得し、総合病院の正規職員として3年間勤務した。
今はパート看護師をしている。(来年1月でそこも辞めるけど)
世間では、看護師は年収が高い、と言われている。
資格職であり、供給が足りていないため、確かに比較的職には就きやすい。
わたしのようなボンクラ中年でも、就職先があるくらいだ。
しかし、年収が高いか? というと、実はそう簡単には言い切れない。
まず、年収が高いといっても、あくまで女性労働者内で比較した場合ということ。
国税庁の「平成30年度分民間給与実態統計調査」によると、
平均年収(男女計):441万円
男性の平均年収:545万円
女性の平均年収:293万円
正規職員看護師の平均年収は、厚生労働省の「令和元年賃金構基本造統計調査」や、日本看護協会の「2019年病院看護実態調査」によると、
看護師(女性看護師のみ)の平均年収:483万円
これだけみると、女性の平均年収よりは明らかに高い。
また、男性の平均年収には届かないものの、男女計の平均年収を上回っている。
世の親御さんが高校の先生が、女の子に、「看護師になっとけば、食うのに困らないよ」と言うのもうなずける。
しかし! 忘れてはいけない事実が一つ。
看護師の平均年収は、「夜勤手当」がかなりの部分を占めるのだ。
2019年病院看護実態調査(日本看護協会)のデータから、夜勤手当の平均額を計算すると、
看護師の月給のうち3.5〜5万円は夜勤で稼いでいる。
出典:【2020年版】看護師の平均年収483万円!給料・ボーナスを大調査(看護roo! 2020/4/22)
つまり、年収のうち40万〜60万円は、夜勤をすることが前提なのだ。
夜勤経験のある看護師さんならわかると思うが、夜勤は看護師の配置人数が少ない。
わたしの勤めていた病棟では、患者30〜35人程度に対して、夜勤看護師は3人。
一人あたり10人以上の患者を受け持つ。
患者さんが寝ていて、日中よりやることが少ないから?
もちろん、んなわけない。
患者さんは治療や手術のために入院しているだから、夜間であっても、
血圧や体温、呼吸状態などの測定・観察、容態の確認
装着している医療機器の作動確認、操作
ドレーンなどを入れている患者さんには排液の性状や量のチェック
点滴のチェック・交換
たんの吸引
寝たきりの患者さんの体位変換、おむつ交換、
高齢や認知症の患者さんのトイレ誘導
その合間を縫って、看護記録の入力
採血、血糖測定
内服薬の確認、準備、服薬介助
介護が必要な患者さんへの朝食の食事介助
などなど、仕事はしこたまある。
そして、認知症の患者さんが不穏になったり、高齢の患者さんが転倒したり、容態が急変するのは、大抵夜勤の時間帯なのだ。
それに加えて、救急搬送などで緊急入院があれば、少ない夜勤の人員を割いて入院の対応をする。
わたしも、3年間夜勤をやったが、夜勤の前には、
“今日はトラブルなく終わりますように”
と毎回、神に祈っていた。
(その祈りは、大抵聞き届けられない・笑)
もちろん、他の患者さんへの看護も同時進行。
患者さんの命に関わる業務だし、緊張も強いられる。
それを、人間が本来寝ている時間帯である、夜間に行うのだ。
人体の生理に反しているため、身体的負担も大きい。
一回夜勤をやると、寿命がいくらか短くなった感覚を味わえる(笑)
勤務している病院によって多少の違いはあると思うが、総合病院の夜勤は、ほぼほぼ似たようなものだ。
こうした夜勤を行うことが前提で、やっともらえる年収が483万円。
男性の平均年収、545万円には、遠く及ばない。
ま、そういうことだ。
少なくとも、
「看護師って稼げるんでしょ、いいよね〜」
とか何も知らずにぬかしている輩がいたら、ロードローラーで轢いて良し。
法的にも許される。
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