【生きる力を取り戻せ】『生きるための経済学〈選択の自由〉からの脱却』安冨歩

こんにちは、かずしいです。

最近Youtubeで、月1500〜3000冊本を読むという変態読書家(褒め言葉です)・清水有高さんが運営する「一月万冊」をときどき視聴している。

10月21日に、作家・本間龍さんの東京オリンピック中止ツイートがトレンド入りしたことで、

本間さんが出演している同チャンネルのことを知り、チャンネル登録したことがきっかけだ。

そのチャンネルに、同じく頻繁に出演されているのが、東大の経済学教授・安冨歩先生である。

安冨先生のことは、以前から父から聞いて、「女性装」の東大教授ということは知っていた。

それくらいしか知らなかったし、著作を読んだことはなかったのだが、「一月万冊」で運営者である清水さんとの対談を聞いて、明朗で、理論的な、でも冷たい感じはなくて、痛快で根底に愛がある言葉を話す人だなと思い、本も読んでみたいな、と思うようになった。

そこで、図書館に蔵書されていた、『生きるための経済学』(日本放送出版協会刊、2008) を借りて読んでみた。

安冨先生は、経済学者であるが、その興味や知識は歴史や心理学、化学、物理学、地学、数学など多岐にわたっており、学問の境界を華麗に飛び越えて論を展開される。

そのため、本書は経済学に無縁な一般人も読者に想定してるとはいえ、わたしのような無学な凡人は、置いていかれないようにするのに、けっこういっぱいいっぱいだった。

でも、普段経済学の本など読まないわたしでも、とても身近に感じられる部分があって、夢中になって読んだ。

それは、安冨先生が、タイトルどおり、人間が自分らしく生きるための経済学を提示しようと、本書で格闘していたからだと思う。

わたしは人生の大半を、いわゆる「失われた30年」の中で生きてきた。

幸運なことに、わたし自身は金銭的に困ったことはないし、大学に行くこともできた。

でも、いつも心どこかで漠然とした不安な気持ちや、社会に対する不信感、生き辛さがあったと思う。

生まれてこの方、ほとんど不景気だったし、2018年には終了していた戦後最長という景気拡大も、少なくともわたしにとっては何の実感もないものだった。

そのため「経済学」というと、一部の権力者やお金持ちが、ますます富を蓄えるためのルールのようなもの、という感じがしていた。

安冨先生は、その原因を、現在日本を含めて全世界が採用している経済学が、“自己嫌悪”を発端として、それを自分で気がつかないようにするために、財と地位という虚栄を得ることで利己心を満たすことを目的としているためだと説いている。

そしてその経済学は、本来実現不可能な“選択の自由”がわたしたちにはある、という神話の元に成り立っている。

しかし、それでは、永遠に“自己嫌悪”はなくならない。

行き着くのは、自分を嫌悪し、その嫌悪を(自覚がないまま)自分より弱い者に押しつけ、自己嫌悪を呪いのように継承していく無限地獄だ。

その連鎖を止めるために、安冨先生は、“自己嫌悪”による経済学ではなく、自らを愛しつづける“自愛”を発端とする経済学を提唱している。

わたしの陳腐な説明では、全然要領を得ないと思うので、

・経済学になんとなく胡散臭さを感じている人

・理由は説明できないが、なんとなく不安や生きづらさを感じている人

は、是非自分で読んでみて欲しい。

余談だが、奥付に「男性装」の安冨先生の近影が載っており、「女性装」の先生がデフォルトになっているわたしはそれを見て、「このおじさん、誰?」と一瞬思った(笑)

個人的には、今の安冨先生の方がずっと素敵だと思う。

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