こんにちは、かずしいです。
『内向型人間の時代』(スーザン・ケイン著、講談社、2013)を読んだ。
本著では、フットボール選手とチアリーダーが理想的な人物像(とわたしがハリウッド映画を観ると感じる)である、アメリカ合衆国という、超「外向型」人間優位文化を主軸に、「内向型」の人間の特性や強み、それを活かす方法を論じている。
ここでいう「内向型」とか「外向型」とは、いわゆる「根明」とか、「内気」とかの性格の分類ではなく、
外向型:あらゆる刺激(音、匂い、光、コミュニケーションなど)に対して、反応が低い(低反応)
内向型:あらゆる刺激に対して、敏感(高反応)
と規定している。
表紙の内側に、自分が内向型か外向型か、判断するための質問が記載されている。
当てはまる質問が多いほど、内向型とのこと。

ちなみにわたしの結果はこちら⬇

予想通り、めちゃくちゃ「内向型」(笑)
ちなみに、本著19ページ〜20ページに、上記に7問足した全20問の質問がある。
それも、20問中17問当てはまる。
わたしが、今のセミリタイアしていて良かったと思うことの一つのは、自分の受ける刺激(音、光、人間関係など)を、ほぼ自分でコントロールできることだ。
大多数の人にとって“普通”の環境は、わたしには刺激が強すぎるのだと思う。
そういう意味で、わたしのような内向型の人間には、セミリタイアは向いているライフスタイルなのかも。
ちなみに、内向型か外向型かは遺伝的に決まっているので、後天的に変えることはできないそうだ。
もちろん、内向型でも、訓練次第で、人前で堂々とスピーチする、ミーティングでプレゼンテーションするといった、外向型の行動を身につけることはできる。
逆もまた然り。
ところで、著書の中ですごく共感したのが、
集団でブレーンストーミングしても良い結果は得られない
とう内容の記述だ。(ブレーンストーミング神話の崩壊、本著p110〜)
ブレーンストーミングは、
“批判や評価がされることがなくなれば、集団は個人より、よりすぐれたアイデアを多くもたらすに違いない”(本著p111)
という、開発者である伝説的広告マン、アレックス・オズボーンの考えを元に、1940〜50年代に開発され、広まった。
複数名で、ホワイトボードやマーカー、ポストイットなどを用意した部屋に押し込められ、何かの課題について意見をどんどんだせ、といわれるアレである。
今日にいたるまで、アメリカでも、そして日本でも、アイデアを出すための創造的な話し合いの手段として、ブレーンストーミングは多様されている。
研修でも、グループワークとして良く使われる。
しかし、ブレーンストーミングは、実は成果がない。
というもの
“四〇年以上にわたってさまざまな研究を続けたが(略)集団が大きくなるほどパフォーマンスが悪くなることが、研究から実証されている”からだ。(本著p113)
単独で作業したほうが、質・量ともに、優れているのである。
(例外的に、対面ではなくオンライン上のブレーンストーミングは、きちんと管理されていれば単独作業より結果が良い)
集団のブレーンストーミングが失敗する理由としては、
・作業すると、他人任せにして自分は何もしない人が出てくる
・一人が発表しているときはそれ以外は黙っていなければならない
・他人の評価が気になって、作業が阻害される
といったことが原因である。
わたしも学校の授業から就職してからの研修まで、さんざん集団のブレーンストーミングをやらされたが、いつも、
これって、なんのためにやってるの?
と効果に疑問をもっていた。
効果がない、どころか、劣っているなら、やらなきゃいいのに。
研修とかで集団でブレーンストーミングをすると、何かやった感が出るので、時間を潰すのに便利なのだろうか? と邪推してしまう。
この、やることがないけど、何かやらなくちゃカッコがつかないからやらなくちゃ、という考え方は、本当に勘弁してほしい。
余計な手間をこさえ、人的資源も時間も浪費するので、有害でさえあると思う。
やる必要がないなら、何もしないで、ぼーっとしている方が全然マシだ。
自分が内向型だと思う人、内向型人間の考え方を理解したい人は一読をオススメする。
文庫版も出てるみたいなので⬇、これから読むならこっちのほうがいいかも。
『内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える』(スーザン・ケイン著、講談社+α文庫)
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