「働き方改革」ではなく「働かない改革」を

こんにちは、かずしいです。

わたしは現在、某クリニックのパート勤務だが、その前は総合病院の病棟看護師をしていた。

体調を崩して3年で辞めたのだが、パート勤務になったことで、労働時間(と給料)が激減し、QOLは爆上がりした。

前職を辞めたときの負の記憶の一部をここで供養したいと思い、記事を書いた。

病棟勤務3年目で、長時間労働と業務の多さで疲労していたわたしを、さらに追い詰めていたもの。

それは、「働き方改革」である。

「働き方改革」とは、そもそもなんなのか? 以下、厚生労働省のHPより引用

 「働き方改革」は、働く方々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で「選択」できるようにするための改革です。

日本が直面する「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、「働く方々のニーズの多様化」などの課題に対応するためには、投資やイノベーションによる生産性向上や、就業機会の拡大、意欲・能力を存分に発揮できる環境をつくることが不可欠です。

働く方の置かれた事情に応じて、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、成長と分配の好循環を構築し、働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指します。

つまり、少子化、社会の多様化の中でも利益がでるように、仕事を効率化し、生産性を上げろ!ということらしい。

日本企業は、労働時間が長いが生産性は低い。それが放置できない段階になったので、お上も音頭をとることにしたのだろう。

なぜ、生産性が低いのか? 詳しい分析は専門家に任せるとして、ここでは、わたしが病棟看護師のとき働き方改革に苦しめられた、個人的な経験から感じたことを述べたい。

保険診療を行っている病院は、保険料という税金が売上の大半を占めるので、民間病院でも実態は公共事業に近いともいえる。

しかし、そうはいっても、病院だって一種の営利団体である。よって、「生産性を上げ、利益を上げる」ことが、目的として外せない。

わたしの勤めていた病院でも、お上に倣って「働き方改革」が行われていた。

しかし、ただの一介の平看護師の意見だが、ぜんぜん生産性が上がりそうにないことをしていた。

特にわたしが疲弊した、旧職場の「働き方改革」の実施例は、以下の2つである。

例1:給料明細に、「あなたは残業時間は病院トップ10に入ってます!」用紙が同封される。

わたしの勤務する病棟は、他の病棟よりも残業時間が多かった。外科病棟なため、回診や手術患者の出し、戻し、点滴、処置の多さなど、業務が多かったこともある。

病院で「働き方改革」が始まってから、残業が多いスタッフの給料明細に、

「あなたは残業時間が多すぎます。病院内でトップ10に入ってます。努力してもっと減らしてね」(意訳)という内容の用紙が同封されるようになった。わたしの給料明細にも、数回この用紙が同封された。

この用紙を見て、「そっか、わたしって残業が多いのね、反省反省! もっと仕事のスピード上げて、早く帰らなくちゃ」と思った・・・・・・、訳がない。

好きで残業してるわけじぇねえよ、帰れるもんなら定時で帰りたいわ!

そもそも時間内にさばける業務量じゃないからだろ!

申請してないサービス残業もあんだぞ!

と毎回怒りしか沸かなかった。

いったい何の目的でこんな用紙を入れていたのか・・・・・。

これを読んでモチベーションが上がる看護師は、あまりいないと思う。それともわたし以外は、これでやる気がでるのか?? 目的と効果が謎である。

例2:業務の無駄を見つけるために、外部にコンサルタントを依頼する。そのためにスタッフは自分の業務を時系列で記録すること。日勤でも遅番でも夜勤でも、勤務時間が終わる前に記録して、提出して帰ること。

業務の無駄を見つけるため、外部に分析とコンサルタントを依頼することになった。百歩譲ってそれはいい。(そのコンサルタント会社にいくら払ったか知らないが。その金で、サービス残業分つけてくれ)

しかし、そのデータを集めるのは看護師本人である。

その日の勤務者は、通常の業務に並行して、自分の行ったことを時系列で専用の用紙に記入する。

業務内容は、数字で細かく分類されている。そこから当てはまるものを探し、記入する必要あり。(1は移動介助、2は内服管理など、50以上に分かれていた)

それも、何時から何時まで行ったかも記入する。

これを、通常の業務を行いながら記録するのだ。しかも一週間連続で、日勤だけでなく、もちろん夜勤のときも。この記録だけで、1時間近くかかった。

めんどくさい以外の何ものでもない。

しかも、患者さんに急変があったり、緊急入院などがあれば、記録は後回しになる。結局、業務が終わった後に、データ用紙に思い出しながら記入するという、業務外の残業となる。

このコンサルタントを受けるためデータ収集は、わたしが体調を崩した12月に行っていたこともあり、ものすごい負担だった。最後の方は、もう記入する気力もなくなり、どうなってもいいわい、と白紙で提出していた。

わたしはその後、病院を辞めたので、あのデータを元にしてどんなコンサルタントが行われたのかは知らない。でもきっと、そのおかげで、業務は大幅に効率化され、残業0になっているだろう。(そうでも思わないとやってられん)

この2つの例は、今思い出してもゲンナリする。

2つに共通しているのは、業務を効率化すると表して、やることを増やしたことだ。

どんな人間も、組織も、一日に使える時間は24時間である。それだけは、全人類平等だ。

何かを効率化したいなら、やることを増やすのではなく、やらないことを決めるしかない。

やらなくていいことはもちろん、やった方がいいこともやめる。

そして絶対にやらなければないないことだけに集中する。それが効率化だろう。

だが、前職場でやっていたのは、その真逆。とんだ「働き方改革」だ。

あれでは、やることばかりが増え続け、労働時間を伸び続けるだけ。そして、利益にならないことを長時間しているので、生産性は低いまま。

本当に生産性を上げたいなら、日本では「働き方改革」より「働かない改革」が必要な気がする。

働く人、時間が減れば、本当に必要なことを行う労働力や時間しかなくなり、結果、効率化が進み、生産性が上がると思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました